お金にまつわる話!


 
 池新田にある御前崎市商工会館。
 このお金にまつわる話をシリーズ化しようと思うぐらい、原発城下町である御前崎市にはお金にまつわる話が無数に転がっています。ここで語るのはそのひとつです。


 いまはどうなのか知りませんが、合併して御前崎市になる前の浜岡町の時代には、新人で当選を果たした議員さんには中部電力から祝い金が支給されていました。 

 その金額は、何と600万円から800万円という大金というから驚きです。この金を受け取ることによって、新人議員さんたちは浜岡原発が危険だとわかっていても何も発言できなくなるのですが、もちろん、それが高額の祝い金の真の目的であるわけなのです。まさに、祝い金に名を借りた賄賂です。


 10年余り前のことですが、浜岡原発反対派の人々の応援を受けて、1人の闘士あふれる地元の人が立候補し、そして見事に当選しました。このHさんという人は、反対派の期待を一身に背負って町議会に挑みました。中電言いなりの、腐敗しきった町議会に果敢にも挑戦状を叩きつけたのです。でも、議員になってわずか2ヵ月ほどで呆気なく反対派から原発推進派に転向してしまったのです。


 そのきっかけとなった事件を、これから詳しく述べることにします。晴れて議員となった1ヵ月余りのちHさんは、保守系の大物町会議員に誘われ、その議員所有の大型クルーザーに乗って沖合いに出たそうです。釣りと海のドライブが名目だったそうです。ところがこのクルーザーには、議員仲間の他にも数名の客が乗り込んでいました。その客とは、保守系議員の雇ったフィリピン女性たちだったのです。


 このコラムのタイトルを、文章を書いているうちに「金と女にまつわる話」というふうに変更したくなってしまいました。もともとHさんは意志薄弱な上に大変な女性好きだったそうで、20歳そこそこのピーノ(フィリピン女性)の色香に簡単に篭絡されてしまい、それが原因で呆気なく方向転換してしまったのです。


 これは保守系議員の仕組んだ罠だったわけですが、それにしても破廉恥極まりないと言うか、節操がないと言うべきか、大人に成りきれていない○○○○と言うべきか、Hさんは実に簡単に転向したものです。地元の反対派の重鎮である、「浜岡原発を考える会」の代表の伊藤実さんがなじると、「そう言われても、町議会で反対を貫くのはたいへんなのですから・・・・」と泣き声で弁明したそうです。


 ここで言う大変とは、金銭とエキゾチックなピーノの甘い誘惑に加えて、先輩議員の圧力をはねのけるのはとても困難だったという意味らしい。この事件のあとH議員は、反対派から推進派に方向転換することによって、めでたく中電から多額の祝い金、・・・・つまり賄賂を受け取ることができたのでした。女と金を手に入れると同時に、この人は一生消えることのない汚名も同時に手にしたのです。


 そんな節操のないHさんだが、その4年後の町会議員の選挙でなぜか当選。そのさらに4年後にも再び立候補する意欲をみせていたが、周囲から、「あんまりではないか?」と誹謗の嵐と罵声を浴びることになり、立候補を見送るかわりに地元の商工会の役員のポストを与えられたそうです。そんな経歴を持つHさんはいま、御前崎市商工会、浜岡事務所のトップの座についているとか、いないとか??




                                             2009年8月7日