巨大なる墓標!


 

浜岡原発の東側、海岸に出る道にはいつのまにか柵が設けられていた。確かこの柵は、10日前に来たときにはなかったので、そのあとに設置されたものと思われる。

遠州灘に面したこのあたりは年間を通じて風が強く、波の荒い日には真冬でもサーファーたちで賑わっているのだが、サーファーと釣り人を締め出す形で築かれている。しかし、「立ち入り禁止」とはどこにも書かれていないし、柵が設けられた説明文も見あたらない。

低い柵を乗り越えて海岸に出ると、ゆっくりと歩を浜岡原発に向けて進めた。すぐに5号機が見えて来た。停止しているせいか、私の目には墓標のように見えた。しかし、活動は止めているが死んでいるわけではなかった。牙を研ぎながら、虎視眈々と復活の日を狙っているのだ。

これ1基だけで首都を壊滅させ、国土の4分の1を荒廃させる怪物であった。

私たちの親兄弟や子供たちを、そして隣人や仲間たちを殺す怪物であった。

この国の墓標としないためにも、再稼動させることだけは絶対に阻止しなければいけない。

風が強く、吹き飛ばされそうになる。海がゴーゴーと鳴っている。「立ち入り禁止」の看板の少し手前まで歩を進めた。そこから先が、浜岡原発の敷地ということなのだろう。バッグからカメラを取り出すと、シャッターを切った。監視カメラが私の動きを追っかけているが気にすることはなかった。物々しい格好をした機動隊員が現われるまで撮り続けるつもりだった。


                                          2012年6月