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森薫樹氏というジャーナリストが約30年前に「原発の町から 東海大地震帯上の浜岡原発」という本を出版しています。「原子炉直下の断層」という項目の中に、「いま、私の机の上に灰緑色の岩の小片がある。浜岡原発の下に横たわる岩盤である相良層の一部をなす泥岩である。爪を立ててみると、岩の表面がはがれ、白い粉が爪にこびりつく。水を含ませて指でこねれば、モロモロとこわれ、泥のようになる。むきだしにしておけば風化してもろくなりやすいといわれる相良層だが、中電のいう硬い岩盤というイメージはなかなか湧いてこない。本当に浜岡原発は巨大地震にも安全か」と書かれています。 浜岡原発の地盤は、中電も認めているように相良層で形成されています。そしてここに書かれていることは、私が目にし、実際に触れてみた浜岡原発の地層そのものだったのです。彼の作品の中で、地層に関する説明は更に続いています。「ダム基礎岩盤の岩質分類基準に照らしても、基礎岩盤として良好とされるA級やB級のクラスに入らず、やや軟岩で基礎岩盤としては不適のC級に分類される」更に続いて、「浜岡原発内の地盤は軟岩で、基礎岩盤としては不適と明瞭に断定されているD級とほとんど変わらない値なのである。岩石としてはランク外の不良岩盤・・・・」と述べられています。 それから森薫樹氏は、敷地内を走る2本の活断層の存在にも言及したあと、このように述べている。「原発の立地先進国のアメリカでは、NRC(原子力規制委員会)が『動く可能性のある断層を含む敷地は原子炉設置場所として不適当』として建設を規制している。浜岡原発は、このアメリカの基準に照らせば、間違いなく原子炉設置場所としては不適当となる」と書いているのだが、駿河湾地震で異常な揺れを記録した5号機の真下に活断層が走っているとしたら恐ろしい話である。 地盤の弱さに話を戻すと、ネタ元はバラさないようにと言われているので、誰から聞いたとは言えないが、5号機建設工事のときに中部電力は地元テレビ局や新聞社の記者を招待して基礎部分を見せたことがあるそうです。つまり20メートル地下部分を公表したのだが、そのときに招待されたある新聞社の記者が岩石を手に取ってみて、ぼろぼろに崩れる岩のもろさに驚き騒ぎだしたそうです。騒然となった現場に、中電の広報部のお偉いさんが飛んできて、「ここは5号機の基礎ではありません!」とあわてて取り繕い、「それでは、本当の基礎はどこなんですか?」というマスコミ人の問いかけにも答えず、それで見学会は終わったそうです。ごまかしてばかりいないで、そろそろ地盤の弱いことを認めたらどうでしょうか、中電さん! 2012年1月22日
このサイトで地盤の弱さを騒ぎ過ぎたせいか、明らかに異質の山土がどこかから大量に運ばれ、浜岡原発の敷地内から出た土砂を隠すように被せられようとしていました。左側に見える奥の山は斜面もならされ、完全にカムフラージュが終わっていた。(1月21日撮影) 2012年1月24日 |
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