ついに欠陥5号機運転再開!

 
東門から5号機を望む
 平成21年8月11日の駿河湾地震以来、運転を停止していた浜岡原発5号機はついに再稼働することになった。原子力安全保安院や中部電力の「安全性に問題はない」との調査結果を受け、川勝静岡県知事が今月24日、「想定東海地震に対する安全性は納得できると判断した」として、中部電力の水野社長に再開の容認を伝えた。それを受けて中部電力は、25日に原子炉を起動し調整運転に入った。約1ヵ月間の調整運転を経て国の最終検査に合格すれば本格的な営業運転に突入する。

 川勝知事は、今月11日の定例記者会見で、「県としては本当に安全なのかどうか、なぜ安全だと言われたのか、その根拠は何かと、揺れが大きかった理由は何か、それは整合的に説明がされているのかなど、もう一度、一から洗い直しまして、私自身も一素人として、原子力の専門家ではない一素人として、分かる範囲で納得してからでないと前に進めない」と語っていたのだ。知事自身は、5号機再稼動に対して消極的な考えを持っていたが、地元4市の市長が運転再開を了承した以上、認めざるを得なかったのだろう。

 浜岡原発安全等対策協議会の会長をつとめる石原御前崎市長は、「国の原子力安全・保安院が、5号機の停止から1年5ヵ月あまり議論し耐震安全性に問題はないとの結論を出した。これ以上の議論は必要ない・・・・」と述べているが、「国の報告は5号機の安全を保証したものではない」という地元住民の意見や、「中電の解析は想定される地震の揺れを過小評価している」とか、「拙速な判断で運転再開を認めるべきではない」などの意見を無視しての運転再開となったのだ。
 
 その他にも石原御前崎市長は、「地元住民も5号機の運転再開に期待している」というような発言をちらりとしたらしいが、運転再開を熱望しているのは中電と相思相愛の石原御前崎市長と、そして利権のからんだ一部の連中たちだけである。横浜に住む友人がメールで、「浜岡原発周辺の住民の皆さんの怒りの声は、どんな行動など目にみえる形で何かしらされているのでしょうか?」と問うていたが、「国のお墨付きが出たと言っても、心配でたまらん」という地元の人々の浜岡原発を懸念する声がいたる所で聞こえている。多くの地元住民は5号機運転再開を歓迎していないのだ。

 もし御前崎市だけでも住民投票を実施したら、5号機だけでなく浜岡原発の全基が永久にストップしたままになるだろう。原発立地の優等生と揶揄された昔の御前崎市民と違うのだ。いまでは、圧倒的多数の市民が浜岡原発に危機意識を抱いている。

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 世界でもっとも危険な原発だと名指しされている浜岡原子力発電所。近いうちに、東海地震がやってくるから世界一危険だと言われているのだ。その震源域のど真ん中にある浜岡の地に、なぜか5号機まで造られてしまった。そして、最近では6号機建設が盛んに議論されているが、狂気の沙汰としか思えない。彼らは浜岡の地を、御前崎市を、静岡県を、そしてこの日本をどうしたいのだろうか。

 東海地震の規模はマグニチュード8だという。駿河湾地震の時の御前崎市の震度は6弱で、約7秒間揺れた。阪神淡路大震災の時のマグニチュードが7・4で、揺れた時間は20秒間程度だったと聞いている。東海地震は1分から2分間揺れると言われているが、中部電力の想定する揺れの時間はたったの20秒間である。それにマグニチュード8だと、常識的に考えても私たちが体験したことのないほどの大きな揺れが発生するはずなのに、中電は400ガル程度の揺れしか想定していないのだ。わずか6弱の駿河湾地震で、浜岡5号機は426ガルの揺れを記録したというのに。

 間違いなくやってくると言われている東海地震での被害をすべてにおいて低めに想定し、安全論を展開しているのだ。マグニチュード8だと多くの家屋が倒壊するのだろうが、先の地震で50ヵ所以上の異常個所が発生してガタガタになった5号機は、いったいどうなるのだろうか。想像するのも恐ろしい結果が待ち受けているに違いない。1月15日の新野公民館での説明会である質問者が、「駿河湾地震は警告だと思いませんか?」と発言していたが、警告を無視して欠陥原子炉を一部の者たちが無理やり再稼動したために、罪のない人々を巻き添えにしようとしているのだ。

 欠陥であろうがなかろうが、数千億円も投資して造ったのだから元を取らなければと、もし考えているのだとしたら空恐ろしい。浜岡5号機は、漁業補償金や反対意見を封じるための地元への協力金は何10億円と支払われたが、地元の議員に聞くと工事費用を30%も削減して建てられているのだという。そうやって考えてみると、駿河湾地震での異常な揺れも納得できる気がする。

 砂の町浜岡では、地中いくら深く掘っても「砂岩」か「泥岩」しかないと言われている。固い岩盤など存在しないと言われているのだ。異常な揺れの原因として、5号機の地下に「低速度層」と呼ばれる、揺れを増幅させる地層があったと中電は説明していたが、もし5号機の基礎がしっかりしていないのだとしたら、巨大地震が発生した時に5号機建屋は砂の上を笹舟のように翻弄され続けることになる。恐ろしい想像だが、現実となる日が訪れるのも遠くないような気がする。



                   2011年2月21日(1月17日のJanJanニュースに載せた記事)