5号機の真下に活断層は存在するのだろうか?


 近頃は東京や横浜、あるいは県内から来られた団体さんを、浜岡原発のPR館によく案内するようになった。もちろんボランティアである。PR館には、案内係りの女性スタッフが10名近くいる。団体さんの希望で彼女たちに説明をお願いしたり、頼まなかったりするのだが、11月末に山梨からきた民医連の病院勤務の若者たち14名を案内した時には、PR館に所属するスタッフに館内の展示物の説明をお願いした。  
海岸付近から望んだ5号機建屋。

 清楚な制服を着用したモデルのようにスタイルの良い若い女性係員に従い、まず最初に展望台に上って浜岡原発の全景を俯瞰し、その次には1階に下りて原子炉の模型を眺め、長椅子に座って地震対策のビデオと防波堤の建設の様子を写したビデオを拝見した。そのあと案内役の女性スタッフは、「浜岡原発の敷地には、活断層はないのでご安心ください」と、かなり強調して喋っていたのが印象的だった。


 つい最近のこと、朝日テレビだったと記憶しているが、活断層の恐ろしさを伝える報道番組をやっていた。「東日本大震災をきっかけにして、活断層の動きが一気に活発になった」と、まるで活断層が長い眠りから覚め、これからあちこちで暴れるような報道をしていたが、大地震のときに地面に亀裂をつくって稲妻のように走る活断層の恐ろしさは、映像を見ていて充分に伝わってきた。そのあとテレビカメラは、東日本大震災で見るも無惨に破壊された、活断層の真上にあった寺院の山門を舐めるように写していた。同じく活断層の上に築かれた本殿は大きく傾き、屋根瓦はすべて落ち、建物は10本ほどの丸太のつっかい棒で支えられていた。


 静岡県に住む者として、地震で思いだすのは2009年8月11日の駿河湾地震である。そのとき駿府城の石垣が崩れたのだが、浜岡原発のお膝元の御前崎市でも震度6弱の揺れに見舞われ、民家の屋根瓦が落下したり、ブロック塀や物置が倒壊するなどの被害があった。この地震のときに浜岡5号機は異常な揺れを記録し、中部電力が公式に発表しただけでも、50ヵ所以上の故障個所や不具合や異常個所が発生した。


 3号機や4号機に比較して3倍もの揺れを起こしたことに対して中部電力は、5号機の地下に揺れを増幅させる地層があったという見解を示し、この地層を「低速度層」という造語で表現した。しかし、一部の人々はこの地震のあと、5号機の地下に活断層が走っているのでは?と考えるようになったのだ。


 駿河湾地震発生から半年間ぐらいは、御前崎市内でも屋根にブルーシートをかけた家屋が数多く見られたものだった。地震被害で屋根瓦がやられたのだが、すぐ隣の家屋は無傷というように、活断層の真上に建っていると思われる民家だけが甚大な被害に遭っていたのだ。そのことで、あるマスコミ人が興味深い話をしてくれた。屋根にブルーシートを掛けた家屋、つまり地震被害をより大きく受けた家屋は、地図の上に一直線に描くことができるというのだ。


 つまり、活断層の存在を示しているのだが、「ちょうど、その先に浜岡5号機があった。だから、あんなにも破壊的な揺れ方をしたんだ」と彼は語っていた。この話が事実なら恐ろしいことである。浜岡原発は、津波よりも直下型地震で建物自体が破壊される可能性が高いと言われているが、こんな危険な原子炉を中部電力は本気で稼動させようとしているのだ。


                                       2011年12月15日